お米がふっくらと炊き上がるには、お米の主成分であるデンプンが熱と水を吸収して柔らかくなる「糊化(アルファ化)」という現象が必要です。デンプンの糊化は約60℃〜65℃以上で始まり、芯まで完全に火を通すには80℃以上の高温を一定時間維持しなければなりません。
冷えたステンレス製のスープジャーに冷たい生米を入れ、そこに熱湯を注いでも、注いだ瞬間に金属の内壁とお米に熱を奪われ、湯温は一気に70℃台前半まで急降下します。その結果、デンプンが十分に糊化しないまま温度が下がり続け、「芯が残る硬いおかゆ」が出来上がってしまいます。
この失敗を根絶する唯一の解決策が、徹底した「予熱」です。スープジャーにお米と沸騰したての熱湯を注ぎ、フタをして2〜3分間放置して容器とお米を同時に温める。その後、一度その湯を完全に捨ててから、再びグラグラに沸騰した熱湯を規定量注ぎ直すという二段階のステップを踏むことで、内部温度を90℃以上に保ち、鍋で炊いたようなトロトロのおかゆが完成します。