しかし、単なる「育ちの良いお嬢様女優」で終わらないのが、木村佳乃という表現者の真骨頂だった。デビュー直後の1997年に公開された映画『失楽園』では、主人公の娘役という難しい役柄を体当たりで演じ、第21回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。スクリーンで見せた影のある表情は、観客の心に深い爪痕を残した。
さらに2000年のホラー映画『ISOLA 多重人格少女』では主演を務め、複雑に歪んだ内面を持つヒロインを熱演。整った顔立ちだからこそ際立つ冷徹さや危うさを巧みに表現し、単なるアイドル的評価を自らの手で壊してみせた。美貌を武器にしながらも、それに甘んじることなく過酷な役柄へ挑む姿は、当時から生粋の役者魂を感じさせるものだった。