中国の映画・ドラマレビュー大手「豆瓣(Douban)」や国内映画レビューサイト、SNSでの投稿を徹底精査すると、2011年版『水滸伝』に対する評価は単なる手放しの絶賛にとどまらず、鋭い賛否両論が存在することが分かります。
好意的なレビューでは、「序盤から中盤にかけての疾走感が尋常ではない」「英雄たちが理不尽な汚名を受けて脱獄し、梁山泊に駆け込んでくるプロセスが最高に熱い」という声が多数を占めます。特に、林冲が雪降る夜に草料場を焼き払われて覚醒するシーンや、武松が飛雲浦で刺客を返り討ちにするシークエンスは、アクション演出の歴史的傑作として語り継がれています。
一方で、視聴者の満足度を二分している要因が「後半の急転直下な欝(うつ)展開」です。ネット上の口コミでは「70話を過ぎたあたりから見るのが辛すぎる」「主要キャラがあまりにもあっけなく死んでいくため精神的ダメージが大きい」といった悲鳴が散見されます。しかし、これは作品自体の瑕疵ではなく、物語が「反逆のロマン」から「冷酷な現実政治」へと位相を変える原作固有の構造に起因しています。この悲哀を受け止められるかどうかが、本作の評価の分水嶺となっています。