「まるかいラーメン」を口にした初訪者が最も衝撃を受ける要素、それこそが煮干しスープ特有の鮮烈な酸味です。一般的な煮干しラーメンを想像していると、一口目で脳の予測と現実の味わいに大きなズレが生じます。このギャップこそが、「まずい」という第一印象を生み出す最大のトリガーとなっています。
一般的な濃厚煮干し系ラーメンは、豚骨や鶏白湯といった動物系白湯スープをベースに、煮干し粉末や煮干し油を大量に乳化させて甘みとコクを出します。対して、まるかいラーメンのスープには背脂や香味油といった脂分がほとんど浮いていません。上質なカタクチイワシなどを大量に使用してじっくりと炊き出すため、煮干しが本来持つ有機酸(コハク酸など)由来の爽やかな酸味がダイレクトに舌へ届きます。予備知識のない旅行者が「スープが酸化して酸っぱくなっているのでは」と誤解してしまうケースも後を絶ちません。
さらに賛否を加速させるのが、自家製のモチモチとした無かんすい風太ストレート麺の存在です。現代のラーメンシーンでは、低加水のパツパツとした歯切れの良い細麺が煮干しスープの定番と見なされがちです。しかし、まるかいの麺は白く、丸みを帯びており、食感はラーメンというより「稲庭うどん」や「沖縄そば」に近い滑らかさを備えています。この太麺に対し、脂のない澄んだ煮干し醤油ラーメンスープが合わさることで、「麺にスープが絡んでいない」「コシがない」とネガティブに捉える層と、「このモチモチ感とスープの吸い上げこそ至高」と絶賛する層に真っ二つに分かれる構造が生まれています。