人間機雷「伏龍」の真実と狂気|海底特攻の事故と実戦投入の全貌

人間機雷「伏龍」の真実と狂気|海底特攻の事故と実戦投入の全貌

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インターネット上や一部の戦史ファンの間では、「伏龍部隊は沖縄戦やパラオ等で秘密裏に米軍を攻撃したのではないか」「米軍上陸艇を沈めた実戦例がある」といった噂が語られることがあります。しかし、公文書および歴史的事実を精査すると、伏龍実戦投入の真偽は明確です。

結論として、伏龍特攻兵器が組織的かつ公認された形で敵艦艇を迎撃した実戦記録は存在しません。米海軍側の公式戦闘報告書(Action Reports)や日本海軍の残存資料(防衛研究所所蔵史料)の双方を照合しても、伏龍による直接攻撃を受けたと断定できる記録は見当たりません。部隊配備が進められていた千葉県九十九里浜や神奈川県三浦半島、高知県、鹿児島県などの本土沿岸要地で陣地構築や潜水待機訓練を重ねる最中、1945年8月15日に終戦を迎えたのが伏龍部隊真相です。

ただし、局地的な遭遇戦や、潜水訓練中に接近してきた米軍艦艇に対して臨戦態勢を取った事例が、戦後の口伝によって「幻の実戦」として誇張された可能性は指摘されています。いずれにしても、実戦での戦果はゼロでありながら、準備と訓練の過程だけで大量の殉職者を出し、終戦とともに機雷や潜水具の多くが海底に投棄・焼却隠滅されたという事実こそが、この部隊が背負った最大の悲劇といえます。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。