W杯開幕前になるとメディアやファンの間で「FIFAランキング」が大きな話題となりますが、実務的なアナリストの間では「FIFAランキング最上位がそのまま本大会を制覇する確率は極めて低い」というのが共通認識となっています。
事実、1993年にFIFAランキングが導入されて以降、大会開幕時点でランキング1位だった国がそのまま優勝を果たしたのは、2010年南アフリカ大会のスペイン代表のみです。親善試合や大陸予選の安定した成績でポイントを積み上げる「レーティングシステム」と、1発勝負のトーナメントで求められる「勝負強さ」「PK戦の成否」「ターンオーバーの成否」には大きな乖離が存在します。
大手ブックメーカーが算出するサッカーW杯優勝予想オッズにおいても、単なる過去の実績だけでなく、スカッドの負傷リスク、移動スケジュールの厳しさ、気候適応能力などが極めて冷徹に織り込まれます。オランダ代表が過去3度の準優勝を経験しながら「無冠の帝王」と呼ばれ続けるように、トーナメント特有の極限状態を勝ち抜くには、ランキングの数値には表れない「勝者のメンタリティ」と「守備の強度」が不可欠です。