この動きを牽引しているのは、意外にもデジタルネイティブであるZ世代やそれに続く世代だ。彼らは生まれた時からアルゴリズムに最適化されたコンテンツに囲まれてきた。次に観るべき動画、次に聴くべき音楽、すべてが先回りして提示される。その結果、彼らが抱いたのは「自分の意志で何も選んでいない」という強い閉塞感だった。
「タイパ」を追求し尽くした彼らが最後に行き着いたのは、あえて生産性のない時間を過ごす贅沢だ。ただ雨の音を聞く、ただ白い壁を見つめる。こうした「無の消費」が、最先端のトレンドとして静かに、しかし確実に広がっている。