同店がカフェ体験において革命的だったのは、単に美味しいパンを提供するだけでなく、「食べるプロセスそのものをエンターテインメントに昇華させた」点にあります。その象徴が、カフェの看板セントルザベーカリーメニューである「セントルザベーカリー食べ比べセット」です。
このセットでは、前述した角食パン・プルマン・イギリスパンの3種が美しいスライスで提供されます。そして最大の特徴は、店内にズラリとディスプレイされた世界中の高級トースター(英国の名機「デュアリット」、イタリアの「デロンギ」、日本の「バルミューダ」など数十種類)の中から、利用者が好みの1台を選んで自席に持ち運べるという画期的なシステムです。
自らの手で好みの焼き加減にセットし、トーストが跳ね上がる瞬間を待ち、焼き立ての熱々にバターを滑らせる――。この一連の動作は、五感を強烈に刺激する「能動的なコト消費」そのものです。添えられるバタートリオ(国産有塩バター、美瑛放牧酪農場の自社製バター、フランス産エシレバターなど)による風味のグラデーションも計算し尽くされており、舌の肥えた大人たちをも夢中にさせています。
さらに、カフェではパンそのもののポテンシャルを活かしたサンドイッチメニューも極めて高い完成度を誇ります。自家製マヨネーズと半熟卵が溢れんばかりに詰まった「たまごサンドイッチ」や、上質なヒレ肉を贅沢に挟んだ「ビフカツサンドイッチ」は、食パンの保水性と具材のジューシーさが完璧な調和を見せており、ランチとしての満足度を盤石なものにしています。