華々しいニュースの裏側で、実際に働く現場の環境はどうなっているのか。転職市場において「スタートアップは年収が低い」「やりがい搾取の温床」というイメージを持たれることもあれば、「一攫千金で億単位の資産を築ける」と夢を語られることもあります。
経済産業省の調査や民間転職エージェントの統計によると、スタートアップ 年収 実態は二極化が進んでいます。CXO(最高責任者クラス)や生成AI・データサイエンスなどの特定領域に精通したシニアエンジニアの場合、年収1,200万〜1,800万円を提示されるケースは珍しくありません。一方で、ミドル層やビジネスサイド(営業・マーケティングなど)の平均基本給は450万〜650万円前後にとどまり、同業種の大手上場企業と比較して2割から3割ほど低い水準からスタートするのが一般的です。
その現金給与のギャップを埋めるインセンティブとして活用されるのがストックオプション制度(自社株購入権)です。将来、会社がIPOやM&Aを達成した際に、あらかじめ決められた低価格で自社株を取得し、市場で売却して差額利益を得られます。しかし、過度な期待は禁物です。税制適格ストックオプションの制度改正や信託型SOを巡る法的整理を経て、制度設計自体は健全化しましたが、実際に上場まで漕ぎ着けられる確率は全体の数パーセントに過ぎません。紙くず同然になるリスクを常に孕んでいます。
さらに見逃せないのがスタートアップ 就職 デメリットの数々です。オープンワーク等の企業口コミサイトや現場取材から浮かび上がるのは、次のような過酷な現実です。
「朝令暮改は当たり前。先週決まった開発方針が月曜日の朝会で白紙になり、数カ月分のコードを捨てた」(30代・SaaS系エンジニア)
「福利厚生や研修制度は皆無に等しく、入社初日から即戦力として成果を出さなければ居場所がなくなる。メンタルダウンによる離職者が後を絶たない」(20代・広報担当)
教育体制の不在、キャッシュアウト(資金ショート)の恐怖、創業初期の属人的なパワハラ問題など、整った大企業のレールとは対極にあるシビアな環境への覚悟が問われます。