温泉選びにおいて多くの人が「源泉かけ流し」「秘湯」という言葉を無条件にありがたがる傾向がありますが、ここには業界関係者しか語らない大きな盲点が存在します。
知っておくべき秘湯と源泉かけ流しの実態として、すべての「かけ流し」が衛生的で快適とは限らないという事実があります。湧出温度が80℃を超える超高温源泉の場合、適温にするために「加水(水道水や地下水で薄める)」を行うか、長い湯樋を通して自然冷却させる必要があります。しかし、冷却設備が不十分な一部の小規模宿では、湯温が45℃以上の熱湯状態のまま湯船に注がれており、「熱すぎて1分も入れなかった」というトラブルが頻発しています。
さらに、循環ろ過装置を使わない完全かけ流しの場合、宿側の清掃頻度や換水サイクルがダイレクトに水質へ影響します。湯船の底に溜まる湯の花を「汚れ」と勘違いするトラブルも後を絶ちませんが、逆に湯の表面に油膜や濁りが発生しているケースでは、単にオーバーフロー量が不足している設計不良の宿もあります。「完全かけ流し」を謳う宿を選ぶ際は、源泉の投入量(給湯バルブの開度)と浴槽サイズが見合っているか、毎日完全換水清掃を行っているかを公式サイトの「温泉管理方針」で確認することが極めて重要です。