木造建造物が傷みやすい亜熱帯気候において、数百年前の姿をそのまま保つことは容易ではない。現地では、専門家チームによる高度な建築・文化財保全の取り組みが絶え間なく行われている。特に赤瓦を固定する漆喰の塗り直し作業や、シロアリ被害を防ぐ伝統的な木材保護技術は、熟練の職人技なしには成り立たない。
文化財の「保存」と「公開」という二律背反する課題に対し、現地スタッフは訪問者の安全を守りつつ、建物への負担を最小限に抑える細やかな維持管理を徹底している。私たちが足を踏み入れる畳の部屋や木製の廊下の一歩一歩が、後世へ文化を繋ぐ職人たちの情熱によって支えられていることを実感させられる。