東松山カントリークラブを語るうえで外せないのが、日本ゴルフコース設計界の巨匠・富澤誠造の存在である。富澤の設計思想は「自然のアンジュレーションを最大限に活かし、プレーヤーの慢心に罠を仕掛ける」という点に集約される。全27ホールからなる「中コース」「東コース」「西コース」は、それぞれが異なる表情を持ち、ゴルファーの技術と精神力を極限まで試す。
メインコースと称されることが多い「中コース」は、雄大な距離と要所に配された原生林がプレッシャーを与えるチャンピオンコースだ。ティショットの落とし所が狭く絞られており、左右どちらかにミスをすると次打でグリーンを狙えない設計になっている。続く「東コース」は、池や自然の起伏が絡む風光明媚なレイアウトながら、正確な方向性が求められる技巧派向きの設計。そして「西コース」は、アップダウンとドッグレッグが巧みに組み合わされ、クラブ選択の柔軟性とショートゲームの精度がスコアメイクを大きく左右する。
攻略の最大の鍵は、富澤設計の真骨頂である砲台グリーンとアゴの深いガードバンカーの攻略にある。グリーン面はアンジュレーションが効いており、ピンの奥につけると下りの強烈なスライスやフックに悩まされる。「手前から攻める」というセオリーを徹底し、花道を使ってボールを転がし上げるマネジメントが不可欠だ。無理にピンデッドを狙ってガードバンカーの急斜面に突き刺されば、ダブルボギー以上の惨劇を招くことになる。