下馬評では「3戦全敗での敗退」すら囁かれていた日本代表でしたが、ピッチ上で見せたパフォーマンスは世界中のサッカーファンを驚愕させました。全4試合の戦績とスタメンの特徴、戦術的な成否を振り返ります。
初戦のコロンビア戦勝因と「大迫半端ないって」現象の再燃
グループリーグ突破の決定打となった初戦コロンビア戦は、開始早々にカルロス・サンチェスがハンドで一発退場となり、香川真司が冷静にPKを沈める幸運なスタートでした。しかし、真の勝因は数的優位に甘んじることなく、中盤で柴崎岳が試合のリズムを完全に掌握したこと、そして最前線で体を張り続けた大迫勇也の圧倒的なポストプレーにありました。
後半28分、本田圭佑の左コーナーキックから大迫が競り勝って叩き込んだ決勝ヘディングシュートは、日本中を熱狂させました。高校サッカー選手権時代に対戦相手の主将が発した「大迫半端ないって」というフレーズがSNS上で爆発的なトレンドとなり、一般層まで巻き込む社会現象へと発展した瞬間でした。
世界を二分したポーランド戦のパス回し批判と指揮官の覚悟
一方で、第3戦のポーランド戦終盤に見せたプレーは、大会屈指の論争を巻き起こしました。0-1でリードされている状況の中、同時刻に行われていた他会場の試合結果(コロンビアがセネガルに1-0でリード)を受け、西野監督は「このまま0-1で敗戦しても、警告数(フェアプレーポイント)の差でセネガルを上回り2位通過できる」と冷徹に計算したのです。
ラスト10分間、日本代表は自陣深くで攻撃の意志を見せずにパスを回し続け、会場のファンからは凄まじいブーイングが浴びせられました。国内外のメディアから「アンチフットボール」と激しいバッシングを受けましたが、西野監督は後日、「万が一の2失点目を避けるため、すべての批判を背負う覚悟で指示を出した」と語っています。美学を捨てて結果(決勝トーナメント進出)を冷徹に取りにいく、極限のギャンブルでした。