自家生産馬によるG1制覇は、馬主にとって至高の夢である。2017年の高松宮記念を制したセイウンコウセイの勝利は、西山氏にとっても感無量の瞬間であった。血統のトレンドが目まぐるしく移り変わる日本中央競馬会(JRA)の過酷な競争環境において、自前で育んだ血統が頂点に立つことの難しさは想像を絶する。
大資本のグループ牧場が席巻する現代の競馬界にあって、西山氏は独自の戦略と観察眼で勝機を見出してきた。血統の適性を見極め、信頼する調教師や騎手、厩務員とともにチーム一丸となって馬を仕上げるスタイル。セイウンコウセイの戴冠は、伝統的な個人馬主の熱意と創意工夫が、現代競馬においても十分に通用することを証明する快挙であった。