定型的な契約書レビューや膨大な開示資料のデューデリジェンスは、自律型法務AIが瞬時に処理する時代が到来した。これまで若手アソシエイトが夜を徹してこなしていた作業の多くは自動化され、法律事務所の収益構造の根幹であった「タイムチャージ(時間制請求)」モデルは大きな転換期を迎えている。
ここで西村あさひが打ち出しているのは、テクノロジーの徹底的な内製統合と、人間にしか担えない高付加価値アドバイザリーへのリソース集中だ。規制当局との阿吽の呼吸を読んだ交渉、買収ターゲット企業の創業者心理を汲み取ったシナリオ策定、不祥事発生時のクライシスマネジメント。アルゴリズムが弾き出せない「行間」の判断にこそ、クライアントはかつてない高額の報酬を支払っている。ツールを使いこなした上で、法を超えた戦略判断を下せるかどうかが、トップファームの新たな選別基準となった。