なぜ宝塚『江戸の黒豹』は伝説に?鳳蘭が魅せた真相と3つの見どころを徹底解説

なぜ宝塚『江戸の黒豹』は伝説に?鳳蘭が魅せた真相と3つの見どころを徹底解説

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本作の評価を不動のものにした最大の要因は、主演を務めた鳳蘭(ツレ)の規格外のスター性にあります。長身としなやかな身のこなし、情熱的な瞳と圧倒的な歌唱力は、まさに「黒豹」そのものでした。従来の日本物狂言の枠組を打ち破り、マントを翻す洋風のアクションと江戸情緒を融合させた佇まいは、当時の演劇界に大きな衝撃を与えました。

脇を固める布陣も極めて豪華でした。兵馬と対峙しながらも深い絆で結ばれる理知的な青年・松平定信役には、類まれな美貌と歌唱力を誇る安奈淳(オトミ)が配され、鳳蘭との「ツレ・オトミ」コンビによる火花散る芝居の応酬は観客を陶酔させました。さらに、宝塚史上屈指のプリマドンナと称された初風諄がヒロイン・小夜を演じ、澄み渡るソプラノと気品ある佇まいで悲恋の美しさを際立たせました。

また、作詞:柴田侑宏、作曲:寺田瀧雄による主題歌「江戸の黒豹」は、宝塚歌劇の歴史に残る名曲です。マイナーコードで疾走する哀愁のメロディに乗せ、鳳蘭が絞り出すように歌い上げる「黒い闇夜に身を躍らせ……」というフレーズは、作品の持つハードボイルドな世界観を完璧に象徴していました。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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