オッドアイの発生には、猫の毛色を白く決定づける優性白色遺伝子(W遺伝子)や白斑遺伝子(S遺伝子)が深く関与しています。胎生期において、色素細胞(メラノサイト)が体表へ移動する過程で抑制がかかると、被毛が白くなり、瞳の色素形成も妨げられます。その結果、片方の瞳にメラニン色素が届かず青色(ブルー)となり、もう片方の瞳が黄色や緑色になる虹彩異色症猫遺伝の現象が引き起こされます。
ここで重要な医学的事実がオッドアイ猫難聴の真相です。色素細胞であるメラノサイトは、内耳の聴覚受容器である「コルチ器」の正常な発達にも不可欠な役割を担っています。メラノサイトの遊走不全が起きると内耳の毛細胞が萎縮し、感音性難聴を発症します。獣医学界の臨床データによると、白猫オッドアイの場合、青い瞳がある側の耳に難聴を伴う確率が6割から8割に達します。両目が青い完全な白猫ではさらに発現率が上がります。
「オッドアイだから必ず耳が聞こえない」というわけではありませんが、高い確率で片耳または両耳に聴覚障害を抱えていることを前提とした飼育知識が求められます。