コビーがこの言葉を放ったのは、マリンフォード頂上戦争が事実上の決着を迎えた直後でした。海軍の主たる標的であったポートガス・D・エースと「白ひげ」エドワード・ニューゲートの二人が命を落とし、海軍側の軍事的目的はすでに達成されていた状況です。
しかし、海軍本部大将・赤犬(サカズキ)をはじめとする軍上層部は「悪の根絶」を掲げ、戦意を失い逃走を図る海賊たちを徹底的に殲滅しようと追撃を続行。同時に、前線で倒れ瀕死の重傷を負っている自軍の海兵たちの手当てすら後回しにされるという、凄惨な殺戮の泥沼と化していました。
極限の緊張感の中で「見聞色の覇気」に覚醒したコビーは、戦場から次々と消えゆく兵士たちの「心の声」を直接脳内に受信してしまい、激しい苦痛と絶望に苛まれます。そして、自軍の最高戦力である赤犬の前に単身立ちはだかり、命を賭して以下の叫びを放ちました。
【コビーの叫び・セリフ全文】
「もうやめましょうよ!!! もうこれ以上戦うの!!! やめましょうよ!!! 命がもったいねェ!!!!
兵士一人一人に…! 帰りを待つ家族がいるのに!!! 目的はもう果たしてるのに…! 戦意のない海賊を追いかけ…! 止められる戦いに欲をかいて…! 今 手当てすれば助かる兵士を見捨てて…! その上にまだ犠牲者を増やすなんて…! 今から倒れていく兵士達は……! まるで…! バカじゃないですか!!?」
軍規違反どころか即座に処刑されてもおかしくない最高幹部への異論に対し、赤犬は「海軍にゃあ お前のような“正義”を持たん兵士は要らん」と冷酷にマグマの拳を振り下ろします。その絶体絶命の瞬間、コビーの命を救ったのが、戦場に突如現れた四皇・赤髪のシャンクスでした。
シャンクスは赤犬の攻撃を剣一本で受け止め、気絶寸前のコビーに対して次のように称賛の言葉を贈ります。
「よくやった…若い海兵。お前が命を懸けて生み出した“勇気ある数秒”は…良くか悪くか、たった今 世界の運命を大きく変えた!!」