『もののけ姫』タタリ神の正体と呪いの真相!怨念の裏設定を解剖

『もののけ姫』タタリ神の正体と呪いの真相!怨念の裏設定を解剖

『もののけ姫』タタリ神の正体と呪いの真相!怨念の裏設定を解剖に関する深掘り解説を丁寧に解説いたします。

劇中では、物語序盤に登場する「ナゴの守」と、後半の頂上決戦で変貌する「乙事主(おっことぬし)」という、二体の巨大な猪神がタタリ神化します。両者は同じ種族の長でありながら、狂気へ至る心理的道筋や絶望の質には明確な差異が存在します。

比較項目ナゴの守(冒頭)乙事主(終盤)編集部の分析・本質変貌の直接的な契機エボシ御前の石火矢(鉛の弾)による激痛と狂乱一族全滅の絶望と、ジコ坊らによる精神的冒涜肉体的な苦痛(ナゴ)対 精神的な尊厳の完全破壊(乙事主)行動の動機・目的激痛から逃れ、怒りのままに生き物を無差別に破壊シシ神による一族の黄泉がえりを求めて深部へ疾走ナゴは孤独な逃亡、乙事主は総帥としての執念と救済への渇望担当声優(キャスト)佐藤允(重厚で怨嗟に満ちた叫び)森繁久彌(老獪な尊厳と狂乱の悲哀)名優ふたりの声の演技が、理性を失う神の神聖と痛ましさを決定づけた最期と救済の迎え方アシタカの弓で討たれ、呪詛を吐き骨となって消滅シシ神によって命を吸い取られ、静かに倒伏憎悪の連鎖をアシタカが受け止めたナゴと、絶対の自然に還された乙事主

乙事主がタタリ神化した経緯は、極めて悲劇的です。500歳という長寿を誇り、鎮西(九州)から同族を引き連れてやってきた誇り高い長老でしたが、地雷火と石火矢による罠によって一族の軍勢は壊滅。自らも重傷を負い、視力を失うなか、死んだ猪の皮を被ったジコ坊配下の唐傘連やジバシリたちを「蘇った我が一族」と誤認してしまいます。

騙されていることに気づいたときの激しい自責と恥辱、そして神としてのプライドの完全な崩壊。シシ神にすがりつこうとする狂おしい執念が、彼自身の血を沸騰させ、体を黒い触手で覆い尽くしていきました。ナゴの守と乙事主の違いとは、肉体の激痛に耐えかねて孤独に狂った「被害者」の側面が強いナゴの守に対し、乙事主は背負うものが大きすぎたリーダーが絶望の果てに自壊した姿であり、神の尊厳が完全に泥に塗れるプロセスの生々しい提示でした。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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