音楽活動のみならず、彼の異彩はスクリーンでも強烈な光を放ってきた。主演映画『味園ユニバース』で見せた、狂気と孤独を抱えた歌うたいの役柄は、まさに彼のリアルな生き様とシンクロし、映画賞を受賞するなど国内外で極めて高い評価を獲得した。人間の暗部や滑稽さをありのままに描くヒューマンドラマとしての完成度は、映画ファンを大いに唸らせた。
一方で、映画『二重生活』などの作品で見せた静けさと奥行きのある演技も忘れがたい。言葉数が少なくても、目線の動きや佇まいだけで人間の複雑な心理を表現できる稀有な資質。音楽と演技という二つの表現軸が互いに高め合い、現在の深みのあるアーティスト像を形成している。