結論から言うと、カエデ科植物学分類の観点では、カエデもモミジも全く同じ植物のグループに属しています。かつては独立した「カエデ科」として扱われていましたが、近年の分子系統学(APG分類体系)の進展により、現在はムクロジ科カエデ属(学名:Acer)として統合・整理されています。
つまり、植物図鑑を開いても「モミジ属」という独立した分類群は存在しません。すべてはカエデ属の中に含まれる樹木であり、植物学的には「すべてカエデ」と呼ぶのが正確な定義となります。世界中にはカエデ属の樹木が150種以上存在し、そのうち日本には自生種だけでも約26種が分布していますが、学術上はどれも同じカエデ属の仲間です。
それにもかかわらず、なぜ日本では「カエデ」と「モミジ」という2つの呼称が当たり前のように共存しているのでしょうか。その背景には、学問的な分類を超えて、見た目のわずかな差異や季節の移ろいを繊細に感じ取ってきた日本の文化的な背景が存在しています。