この事件は、戦後長く維持されてきた日本の法制度に地殻変動を起こす契機となった。とりわけ18歳・19歳を「特定少年」と位置づけ、重大事件における実名報道の解禁や刑事処分の対象拡大へと舵を切った少年法改正の潮流において、川崎の事件が与えた政治的・社会的インパクトは決定的だった。
「少年という盾で凶悪犯罪が守られていいのか」という世論の沸騰は、法曹界の慎重論を押し切る力となった。厳罰化が進んだ一方で、処罰の強化だけで少年の非行や孤立を未然に防ぎ得ているのかという疑問はくすぶり続けている。更生の機会と厳罰のバランスをめぐる議論は、決して決着を見ていない。