木村石鹸が展開する「12/JU-NI」の誕生劇は、従来のヘアケア市場の常識を覆すものでした。公式発表資料や開発責任者の手記によると、開発の原点は「処方コード12番」の試作品。研究開発の過程で生まれたこの処方は、シリコンによる一時的な手触りの誤魔化しではなく、傷んだ髪の内部へアプローチする圧倒的な仕上がりを実現していたものの、製造コストが高すぎるうえに髪質を選ぶという理由で、一度は量産化が見送られかけた経緯があります。
しかし、社内のモニターやクラウドファンディングでの先行テストにおいて、「長年悩んでいた剛毛・くせ毛が初めて素直になった」という熱烈なフィードバックが殺到。クラウドファンディングでは目標金額を大幅に上回る支援を集め、正式製品化へと舵を切りました。「誰にでも合う80点のシャンプーではなく、特定の人にとっての120点を作る」というクラフトマンシップが、広告偏重のコスメ情報に疲弊した消費者の心を掴み、2026年現在もオーガニックな口コミ拡散を継続させています。