バナナが厄介なのは、熟度によって胃に負担をかける要因が180度変化する点にあります。青みが残るものと黒い斑点(シュガースポット)が出たものでは、体内での消化挙動が全く異なります。
先端や茎に緑色が残る未熟バナナには、「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」が豊富に含まれています。整腸作用や血糖値スパイクの抑制には有用な成分ですが、胃ではほとんど消化されず、消化管内に長時間とどまります。その結果、胃もたれや消化不良を引き起こし、胃の中でガスが発生して内圧を上昇させます。この物理的な圧力が、下部食道括約筋を押し上げて胃酸逆流を誘発します。
一方、追熟が進んだ完熟バナナでは、デンプンがすべて単糖類・二糖類へと分解されているため消化自体は早いものの、濃縮された糖分が一気に胃酸を呼び覚まします。特に胃酸過多の傾向が強い人は、完熟バナナを食べた直後から胃が熱く焼けるような不快感を覚えるケースが目立ちます。つまり、未熟なら消化不良、完熟なら胃酸過多という、どちらに転んでも逆流を招きやすい構造的リスクを抱えているのです。