2019年1月、日本武道館での卒業公演を最後にアイドル活動に終止符を打ち、同年3月には芸能界そのものからの引退を発表した当時の衝撃を覚えている人も多いだろう。人気絶頂のさなかで自ら引いた一線。それは単なる活動の終了ではなく、「夢眠ねむ」という個人が描く人生の次章への鮮やかな移行だった。
美術大学出身という背景を持ち、グループ在籍中からグラフィックデザインやグッズ制作、イベントプロデュースなど、多岐にわたる才能を発揮していた彼女。芸能界という表舞台を離れた後も、そのクリエイティビティが衰えることはなかった。むしろ、カメラのレンズや観客の視線から解放されたことで、彼女のつくり出す世界観はより純度を増し、深みを帯びるようになったと言える。