世界的ベストセラーとして知られるケンブリッジ大学出版局の『English Grammar in Use』を紐解くと、状態の変化と動作の完了に関する明快な解説が記されている。「grown」は形容詞的にも機能する。代表例が「a grown man(一人前の大人、成人した男性)」という言い回しだ。
ここが学習者の混乱を招く元凶である。「He has grown.」は現在完了形であり、「彼は(背が伸びたり人間的に)成長した」という継続的な変化を表す。一方、「He is fully grown.」となると、この「grown」は受動態の過去分詞ではなく、完全に成長しきった状態を示す形容詞として機能する。この二者の区別は極めて曖昧に見えるが、英語の論理構造においては明確に切り離されている。
自分が主導して大きくなる「内発的な成長」と、外部から手をかけられて育てられる「外発的な育成」。動詞の設計思想そのものを理解しなければ、自然な文を紡ぎ出すことはできない。