初夏の訪れとともに、境内は溢れんばかりの緑と華やかな色彩に包まれる。関西花の寺二十五霊場の第12番札所としても知られるこの場所で、いまや全国的な人気を誇るのが「あじさいうかい(あじさい池浮かべ)」だ。満開を迎えた紫陽花の大輪を境内の中央に位置する具足池(ぐそくいけ)へ一斉に浮かべるこの取り組みは、水面に揺れる青や紫、ピンクのグラデーションがまるで万華鏡のような幻想美を創り出している。
池の周囲を歩きながら水面を見下ろせば、太陽の光を受け照り映える花々と、背景に立つ古びた堂宇が見事な対比を描く。写真を収めようとカメラを構える訪問者も絶えないが、朝の静けさの中で見つめる「あじさいうかい」は格別の息をのむ美しさだ。初夏だけでなく、春の桜や牡丹、秋のモミジの紅葉まで、四季折々の絶景が季節の移ろいを静かに教えてくれる。