右の奥歯が痛いのは心臓病の予兆?虫歯ゼロに潜む心筋梗塞の真実

右の奥歯が痛いのは心臓病の予兆?虫歯ゼロに潜む心筋梗塞の真実

右の奥歯が痛いのは心臓病の予兆?虫歯ゼロに潜む心筋梗塞の真実の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

歯痛を訴えて歯科を受診した患者のうち、歯そのものや歯周組織に原因が見つからない病態は「非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)」と総称されます。日本口腔顔面痛学会のガイドラインでも注意喚起がなされている通り、右の奥歯が痛いのに虫歯じゃないと診断された際、真っ先に除外しなければならない重篤な疾患が、心筋の血流不足に起因する心原性歯痛です。

心臓の筋肉へ酸素や栄養を送る冠動脈が狭窄する狭心症、あるいは完全に閉塞する心筋梗塞を発症した際、心臓組織が酸欠状態に陥って強い警告シグナルを発します。この信号が神経回路を上行する過程で脳が発信源を取り違え、奥歯がズキズキ脈打つ心臓由来の痛みとして知覚される現象が「放散痛(関連痛)」です。

特筆すべきは、胸の圧迫感や激痛といった典型的な自覚症状が一切なく、「奥歯の締め付け感」や「顎の強いだるさ」だけが単独で現れるケースが一定割合で存在することです。患者自身が「まさか心臓が原因だとは思いもしない」ため発見が遅れ、救急搬送されたときにはすでに広範囲の心筋壊死が進行していたという事態も報告されています。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。