彼の初登場は決して華々しいものではなかった。那田蜘蛛山で母蜘蛛の糸に操られた仲間たちが次々と自傷・相討ちさせられていく惨劇の中、一人身を潜めながら生存していた姿を覚えているだろうか。後から到着した炭治郎や伊之助に対し、恐怖に震えながらも現場の異常事態を冷静に伝えた判断力こそが、彼の生存率を高めた第一歩だった。
服を溶かされるという悲惨なトラブルに見舞われながらも、彼は最後まで心を折らなかった。胡蝶しのぶによる救援が間に合ったのは、彼が極限状態の中で諦めずに時間を稼ぎ続けたからにほかならない。死と隣り合わせの戦場でパニックに陥らず、自分の身を守りつつ情報をつなぐ。地味に見えて、これこそが鬼殺隊員として最も難易度の高いスキルと言える。