日常的に「そうめんは油を使っていて、ひやむぎは使っていない」と語られる場面が散見されますが、これは半分正しく、半分は誤解を含んでいます。油を使用するかどうかは、麺の種類というよりも「手延べ製法か機械製法か」によって決まります。
手延べ麺の場合、熟成させた太い小麦粉生地を幾段階にも分けて徐々に細く引き延ばしていきます。その際、麺同士の癒着を防ぎ、表面の急激な乾燥を防止するために、伝統的に食用植物油(綿実油やごま油など)を表面に塗布します。これは手延べそうめんはもちろん、手延べひやむぎを作る場合にも同様に使用されます。
一方、一般的なスーパーで安価に販売されている「機械製麺」の乾麺は、生地をローラーで圧延し、製麺機の回転刃で切り落とすため、製造工程で油を一切使用しません。原材料表示を確認すると、機械製麺は「小麦粉、食塩、水」のみで構成されているのに対し、手延べ麺には「食用植物油」の表記が入ります。油の有無は麺の名称ではなく、製造アプローチの相違によって生じる要素です。