対するアイスダンスは、氷上に足元を吸い付かせ、一瞬の淀みもなくスピードを維持しながら滑走するエッジワークとスケーティング技術の極致を競う世界です。アクロバティックな投擲技が禁止されている分、ごまかしの一切利かない純粋な足元の技術が採点を左右します。
その象徴と言える要素が、ツイズルの見どころとしてファンから熱狂的な視線を集めるシンクロナイズドツイズルです。ツイズルとは、片足のインエッジやアウトエッジに乗ったまま、移動しながら連続して素早く回転するターンのこと。これを2人が触れ合わない至近距離(わずか数十センチ)で、回転数、回転速度、腕の振り付け、進行方向の軌跡まで完璧に同調させなければなりません。片方のバランスがミリ単位で崩れただけでも即座にGOE(出来栄え点)で減点される過酷なエレメンツです。
また、ショートプログラムとフリースケーティングで競うシングル・ペアに対し、アイスダンスはリズムダンスとフリーダンスで構成されます。特にリズムダンスでは、毎年ISUから指定される音楽ジャンルやテンポ、課題となるステップ(パターンダンス・タイプ・ステップ・シーケンス)を組み込むことが義務付けられており、音楽のグルーヴを氷上で完璧に具現化する音楽表現力が厳しく問われます。