ジュリの本名は「ジュリエット」。彼女の正体は、一般的な人間族ではなく、屈強な肉体と高い職人気質を持つドワーフの亜種系統「炭鉱族」の少女です。炭鉱族は小柄な体躯でありながら筋力と持久力に優れ、鉱石の採掘や鍛冶、土木技術に秀でた種族として知られています。しかし、ジュリが生まれ育った環境は過酷を極めていました。
彼女が奴隷市場に流された背景には、貧困に喘ぐ一族の困窮と、言葉も通じない異国への人身売買という残酷な現実がありました。ラノア魔法大学編(アニメ第2期)にてルーデウスとザノバが奴隷市場を訪れた際、ジュリは推定5〜6歳前後という幼さでありながら、狭い檻の中で糞尿と泥にまみれ、死を待つだけの最底辺奴隷として値付けされていたのです。当時の価格はわずか銅銭数十枚(一般的な労働者の数日分の生活費程度)という、命の尊厳を完全に否定された境遇でした。
当時のジュリは極度の栄養失調と精神的トラウマによって感情を喪失し、生気のない瞳でうずくまっていました。主人の怪力によって人形を壊してしまう悩みを抱えていた怪力王子ザノバが、「壊れない人形を作るための手足」を求めて彼女を購入したことが、少女の運命を180度転換させる決定的な契機となりました。