読者の間で最大の論争点となっているのが、「青野一は最終的に誰と付き合うのか」という結末の行方です。秋音律子と小桜ハル、それぞれが青野にとって全く異なる意味と重みを持っています。2人のヒロインが青野一に与えた影響と関係性の変遷を以下の比較表にまとめました。
秋音律子は、青野が閉ざしていた音楽への情熱を再び呼び覚ました決定的な存在です。正義感が強く不器用ながらも真っ直ぐな律子の姿勢は、青野の凍りついた心を溶かしました。2人の間には「音楽を教える者と教わる者」から始まり、同じ海幕高校オーケストラ部で切磋琢磨する中で生まれた絶対的な相互信頼が存在します。物語序盤では互いに恋愛感情を強く自覚していませんでしたが、周囲との関係や時間の経過とともに、青野が律子の笑顔やふとした仕草に動揺する場面が増加しています。
一方の小桜ハルは、青野に対して最初から強い憧れと好意を抱いていました。中学時代の孤独を青野のヴァイオリンに救われた彼女にとって、青野はまさに暗闇を照らす光でした。しかしハルは単なる「守られるヒロイン」にとどまらず、青野の父親に関する深い心の傷を知った際も逃げずに受け止め、自らの内向的な性格を克服しながら一歩ずつ前へ進んでいきます。このハルの健気な直進性が、青野の感情を大きく揺さぶることになります。