かつて商業高校といえば、電卓を叩き、簿記検定の級を取る場所というイメージが強かった。しかし、現在の授業風景はその固定観念を根底から覆す。実習室に足を踏み入れると、生徒たちが取り組んでいたのは生成AIを活用した業務効率化プログラムの作成や、ローコードツールを用いたアプリ開発だった。
「検定に合格することはゴールではなく、スタート地点に過ぎません」。情報処理科の教諭はそう語る。データ分析のスキルをいかに実社会の課題解決に結びつけるか。同校では、地元企業の実際のマーケティング課題を教材として扱い、生徒たちが解決策をプレゼンテーションする講義が日常的に行われている。数字を読む力と、デジタル技術を使いこなす技術。この2つの掛け合わせが、卒業後の強力な武器となっている。