市場の頭上を覆う最大の不透明要素は、NTT法改正に伴う政府保有株の売却計画だ。発行済株式数の約3分の1を国が保有するという法律上の縛りに対し、防衛財源の確保や完全民営化に向けた議論が波紋を広げた。段階的な売却が現実味を帯びるたび、需給悪化を警戒する海外ファンドが売りを浴びせる構図が定着している。
もっとも、NTT側も手をこまねいているわけではない。売却に合わせた大規模な自社株買いを機動的に実施する方針を示しており、市場に流通する株式の過剰感を相殺する姿勢を強調する。政府の売却スピードと自社株買いの規模、この二つのベクトルが交錯するポイントこそが、株価のレンジ突破を決める鍵となる。