膳場氏の起用を語る上で欠かせないのが、2016年4月から2026年3月まで丸8年間にわたって務めた土曜夕方の調査報道番組『報道特集』のメインキャスターとしての実績です。『NEWS23』を離れた後の彼女が再びTBSの報道の信頼性を高めたのは、この『報道特集』での徹底した取材姿勢でした。
しかし、2026年4月に『サンデーモーニング』の総合司会を引き受けるにあたり、彼女は『報道特集』を勇退しています。一部ネット上では「局内対立による降板ではないか」「政治的プレッシャーがあったのか」といった根拠のない憶測が飛び交いました。しかし、現場の編成事情を取材すると、その内情はまったく異なる極めて現実的な判断によるものでした。
関係者によると、土曜夕方の生放送である『報道特集』は、直前の土曜午前から入念な取材VTRのプレビューや原稿推敲、生放送後の反省会を含め、拘束時間が極めて長くなります。一方、日曜朝8時スタートの『サンデーモーニング』は、土曜深夜から早朝にかけての入念なニュースチェックと早朝6時前のスタジオ入りが必須です。土曜夕方と日曜早朝という2大生報道番組を兼任することは、物理的な健康管理の観点からも、番組準備の質の観点からも不可能でした。
TBS上層部は、関口氏の後任という看板番組の命運を託すにあたり、膳場氏のエネルギーを『サンデーモーニング』へ集中させる決断を下しました。『報道特集』での降板は不可欠な配置転換であり、TBS報道が総力を挙げて彼女をサンデーモーニングの「顔」として確立するための戦略的選択だったのです。