かつて「卵は1日1個まで」という通説が広く信じられていましたが、最新の臨床栄養学においてこの定説は過去のものとなっています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」においても、食事由来のコレステロールと血中コレステロール値の直接的な相関を示す明確なエビデンスが得られないことから、目標量(上限値)は撤廃されました。
体内のコレステロールの約7〜8割は肝臓などで合成されており、食事からの摂取量が増えると体内での合成量が自動的に抑制される調整機能が人体の恒常性として備わっています。卵はビタミンCと食物繊維以外のほぼすべての必須栄養素を網羅する「完全栄養食品」であり、良質な動物性タンパク質、ビタミンA、ビタミンB群、コリンなどが豊富に含まれています。
もちろん、脂質代謝異常症の診断を受けている方や医師から個別の食事指導を受けている場合は制限が必要ですが、健康な成人であれば1日に2〜3個食べても健康上の悪影響は極めて低いとされています。手軽で安価なタンパク質源として、過度に恐れることなく毎日の献立に取り入れるのが賢明な選択です。