家づくりメディアの調査やハウスメーカー施主への取材データによると、新築住宅の設備に関する後悔ポイントで常に上位に挙がるのが空調計画の不備です。「新築エアコン位置失敗」に陥る最大の原因は、設計担当者と施主の双方が、エアコンを「後から壁に取り付ける単なる家電」として過小評価し、躯体設計や生活動線と切り離して考えてしまう点にあります。
間取りの打ち合わせ現場では、キッチン設備や床材、間取りの広さ、照明計画に多くの時間が割かれます。その結果、エアコンの位置決めは最終盤に追いやられ、「とりあえず窓の横の空いている壁」へ機械的にプロットされがちです。しかし、壁の内部には耐震上重要な筋交いや柱が通っており、梁の出っ張りやカーテンレールの干渉を考慮せずに位置を決めると、実際の施工時に想定外の位置へずらさざるを得ない事態に陥ります。
空間全体の気流シミュレーションを怠った結果、吹き抜けやリビング階段から冷気が逃げ、センサーが誤作動を起こして冷暖房効率が著しく低下する事例が多発しています。立体的な空間の使われ方を無視して位置を固定してしまうことこそが、多くの施主が入居後に頭を抱える決定的な要因です。