物語のもう一つの軸として高い存在感を放ったのが、滝川利佳子を好演した吉瀬美智子と、画家の加藤修が繰り広げた大人の恋模様だ。紗和たちの純愛的な情熱とは対照的に、利佳子は冷徹な現実主義と溢れ出る欲望の間で揺れ動いていた。
彼女たちが迎えた結末もまた、極めてほろ苦い。加藤の手の障害、そして家族を守るための妥協。利佳子は最終的に裕福な家庭という「籠の中」へ戻る道を選択する。熱情だけでは生きていけない大人のリアル、自由を求めた代償の重さを象徴するこのサイドストーリーは、作品全体のテーマをより重厚なものへと押し上げた。