小樽ミルクプラントの代名詞とも言えるNYジャンボソフトは、巻き数が何層にも重なり、コーンの上におよそ30cm以上そびえ立つ圧倒的なスケール感を誇ります。一般的なソフトクリームのサイズが12〜15cm程度であることを考えると、実に2倍以上の高さを誇る計算です。
この規格外の大きさが誕生した背景には、店舗のルーツである旧保証牛乳の歴史が深く関わっています。昭和11年(1936年)に建てられたモルタル造の旧保証牛乳小樽事務所は、かつて小樽近郊の生乳を一手に集約・加工していた拠点でした。北の商都として栄えた小樽のモダンな食文化と、アメリカのミルクプラント(乳製品加工工場)のダイナミズムを取り入れた店舗コンセプトが融合し、「本場アメリカのようなビッグサイズの本格ソフトクリームを手軽に楽しんでほしい」という職人気質からメガサイズメニューが考案された経緯があります。
単に量が多いだけではありません。高さ30cm超の構造を維持するため、一般的な生クリーム過多のソフトクリームとは異なり、氷結晶のきめ細かさと適度な空気含有率(オーバーラン)をミリ単位で調整しています。濃厚なミルクのコクを保ちながらも、最後の一口まで飽きずに食べ切れるさっぱりとした後味を実現している点が、半世紀近く愛され続ける構造的な理由です。