大谷直子の人生は、表現者としての華々しい栄光だけでなく、過酷な試練との戦いでもありました。2007年、彼女は悪性リンパ腫(ステージ4)の診断を受けます。医師から厳しい余命宣告を突きつけられる中、過酷な抗がん剤治療と放射線治療に耐え抜きました。
手記や闘病後のインタビューにおいて、「病気を経験したことで、生きていること、演じられることへの執着と感謝が研ぎ澄まされた」と述懐しています。その後、奇跡的な寛解を果たして現場に復帰。
園子温監督の映画『希望の国』(2012年)で見せた認知症の妻役は、観客と批評家を圧倒し、数々の映画賞を受賞しました。2026年現在も、その凛とした佇まいと深みのある演技力は、若い世代の映像作家や俳優たちにとって指針となり続けています。