段丘地形には、川沿いにできる「河岸段丘」のほかに、外洋に面した岬や海岸沿いに発達する「海岸段丘(かいがんだんきゅう)」が存在します。両者は見た目こそ階段状で酷似していますが、形成に関わる力学や分布には明確な違いがあります。
日本における河岸段丘の双璧として知られるのが、群馬県沼田市と長野県伊那谷の天竜川沿いです。
沼田市の河岸段丘は、利根川とその支流である片品川・薄根川が合流する地点に広がり、「日本一美しい河岸段丘」と称賛されます。段丘崖の落差は最大で100メートル近くに達し、天空の城郭都市さながらの地形です。沼田城址公園の展望台から見下ろすと、眼下の街並みと対岸の崖が織りなす圧倒的なスケールに息を呑みます。
一方、長野県南部を縦断する天竜川の河岸段丘は、中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那盆地に何段にもわたって連なっています。地元では段丘面を「段(だん)」、段丘崖を「崖(はけ・ママ)」と呼び親しみ、段ごとに異なる気候・土壌条件を活かした果樹栽培が発達しています。