捕まえたばかりの個体がオスかメスかを見極める際、最も確実で決定的な基準となるのが「尻尾の付け根の膨らみ」の有無です。カナヘビの排泄と生殖を担う総排泄孔(クロアカ)のすぐ後ろ、尾の腹側を観察してください。ここがぷっくりと横に張り出すように盛り上がっていればオス、くびれるようにすっきりと直線的であればメスと判断できます。
この隆起が生じる生物学的理由は、オスの体内にある一対の生殖器官「ヘミペニス」の存在にあります。交尾時に体外へ反転突出させる2本の生殖器を尾の基部内側に格納しているため、オスはどうしても物理的なボリュームが生じてしまいます。現場で多数の個体を比較検証している飼育観察ブログ『くま村長の開拓日記』や専門メディアの記録でも、尾の付け根の太さの差異は9割以上の的中率を誇る絶対的な指標として紹介されています。
次に確認すべきは「お腹の色による判別」です。カナヘビを傷つけないよう透明なプラケースの底から下腹部を見上げると、オスとメスで顕著な色彩のグラデーションが確認できます。
オスの腹面は、顎の下から総排泄孔にかけて鮮やかな黄色から山吹色、あるいは暖かみのあるオレンジ色に染まります。特に繁殖期に入るとホルモンバランスの影響でこの黄色みが濃くなり、遠目からでも鮮明に浮かび上がります。対照的にメスの腹面は、白に近い淡いクリーム色やわずかにくすんだ乳白色にとどまります。この「尾の付け根の立体感」と「腹面のカラーチャート」の2点を組み合わせれば、成体であればルーペや虫眼鏡すら使わず、わずか数秒で雌雄の同定が完了します。