二人の関係が真に試されたのは、2021年夏に起きた中田選手の巨人への電撃移籍劇でした。チームを揺るがす騒動の渦中、日本ハムに残された杉谷氏が公の場でどのような反応を示すのか、メディアと世間の視線が集中しました。
当時、中田翔の移籍に対する杉谷拳士の反応は、極めて慎重かつ誠実なものでした。余計な憶測を生まないよう公の場では口を閉ざしつつも、報道各社の取材や関係者の証言によると、個人的に先輩の身を案じる連絡を取り続けていたと伝えられています。逆風が吹き荒れる中、軽はずみな擁護をせず、かといって切り捨てることもない姿勢に、二人が築いてきた精神的距離の堅固さが表れていました。
そして2022年シーズン終了後、杉谷氏が現役引退(前進)を表明した際、中田翔選手が寄せた引退コメントはファンの胸を打ちました。
中田選手は自身のインスタグラム投稿やインタビューを通じて、「拳士、本当にお疲れさん。お前がベンチにいてくれたから、俺はどれだけ救われたか分からない。ありがとうな」という趣旨の、ありのままの感謝を綴りました。普段は照れ隠しで乱暴な言葉を使う男が吐露した剥き出しのリスペクト。これに対し杉谷氏も「翔さんと一緒に野球ができて本当に幸せでした」と即座に呼応し、二人の関係が単なるギミックではなかったことを証明したのです。