世間一般では「記憶力が悪い」「計算が遅い」といった能力値が槍玉に挙げられがちだ。しかし、最新の認知心理学と行動科学のデータが突き止めた真の共通点は、まったく異なる場所にある。もっとも顕著な行動パターンは、「自分が理解できない事象に出会った際、即座にそれを『価値のないもの』『間違っているもの』として切り捨てる拒絶反応」だ。
実験データによれば、思考力の維持に苦しむ人々は、複雑な問題を前にしたときに「判断を保留する」という選択肢を持てない傾向が強い。白か黒か、敵か味方かという極端な二項対立に飛びつき、曖昧さに耐える精神的猶予を自ら放棄してしまう。アメリカ心理学会の直近のレポートでも、思考の柔軟性を失った個人ほど、事実確認(ファクトチェック)を経ないまま極端な結論へ飛びつく傾向が裏付けられている。