キリスト教建築の最高峰と称されるサン・ピエトロ大聖堂の入場料は、原則として無料である。世界的な観光名所でありながら誰でも無償で受け入れる門戸の広さを持つ反面、その恩恵を求めて広場には朝から途方もない行列が形成される。入場ゲート前で行われる空港並みの金属探知機と手荷物検査がボトルネックとなっており、ピーク時には広場を半周するほど列が伸び、入場まで2時間以上炎天下で立ち尽くすことも珍しくない。
この消耗戦を避けるための最大の鍵が、サン・ピエトロ広場の混雑回避戦略だ。大聖堂の開館は朝7時のため、開館直後から朝8時前までの時間帯にセキュリティを通過すれば、待ち時間ほぼゼロで荘厳な静寂に包まれた堂内へ足を踏み入れることができる。また、水曜日の午前中はローマ教皇の一般謁見(パパル・オーディエンス)が広場で行われるため、大聖堂の一般入場が午後まで制限される点にも十分な注意が必要だ。