この一戦の本質は、世界最高峰のキックボクシングと伝統的ムエタイの戦術的対峙にある。スーパーレックの距離設定は見事というほかなかった。相手の入ろうとするタイミングに正確なミドルキックと右ローキックを合わせ、武尊の得意とする得意のインファイトを遮断。間合いを支配することで、序盤の主導権を確実に引き寄せた。
一方で、武尊の驚異的な打撃力と精神力も際立っていた。足の皮膚が変色し、立つことすら困難なはずのダメージを受けながらも、一切引き下がらずにフックを叩き込む姿は圧巻の一言。勝敗の明暗を分けたのは、序盤から中盤にかけたローキックによる足止めと、ポイントメイクの緻密さだった。ダメージの質とヒット数、そのわずかな差がジャッジの判断を左右したのである。