春先の睡眠トラブルについて、実際の生活者現場ではどのような苦悩が渦巻いているのでしょうか。SNS上の投稿やQ&Aサイトの生の声、クリニック現場での相談事例を精査すると、切実な実態が浮かび上がってきます。
「夜11時に寝て7時間しっかり睡眠をとっているはずなのに、午前10時を過ぎると頭に鉛を詰められたように意識が遠のく」「春になると毎年のように会社を遅刻しそうになり、自分の意志の弱さを責めて自己嫌悪に陥る」といった悲痛な叫びは枚挙に暇がありません。特に20代〜40代の働く世代において、新年度の業務プレッシャーと身体の適応不全が重なり、「春うつ」に近い無気力状態に悩まされるケースが頻発しています。
都内の睡眠専門外来で診療にあたる医師の臨床報告によると、3月から4月にかけて「異常な日中の傾眠傾向」を主訴に訪れる患者数は年間ピークの一つを迎えます。現場の問診データを分析すると、多くの患者が「部屋着や寝具の調節が追いつかず夜間に寝汗をかいて中途覚醒している」「寒暖差によって毛細血管の収縮と拡張が乱れ、基礎体温の低下が妨げられている」という共通パターンが見受けられます。決して個人の気合やモチベーションの問題ではなく、身体が環境ストレスに対して防衛反応を起こしている証左です。