作品を決定的な名作へと押し上げた最大の原動力は、菅田将暉と桐山漣というふたりが起こした劇的なシナジーに他ならない。当時、弱冠16歳で彗星のごとくデビューを果たした菅田将暉の浮世離れした透明感と知性。それをどっしりと受け止め、泥臭くも人間味あふれる探偵像を作り上げた桐山漣の圧倒的な演技力。二人の演技が重なった瞬間、画面には他では代えがたい緊張感と愛着が生まれた。
若き日の二人が現場で磨き上げた信頼関係は、画面越しにも明確に伝わっていた。撮影現場での切磋琢磨がそのまま作中の絆とシンクロし、フィクションを超えた本物の友情として結晶化したのだ。現在、第一線で目覚ましい活躍を続ける両者にとって、この作品がキャリアの揺るぎない原点として刻まれていることは周知の事実である。