この宿の最大の自慢は、なんと言っても手作りの露天風呂と、そこを満たす濃厚な温泉だ。湯船に浸かると、目の前には手つかずの原生林が広がり、耳を澄ませば鳥のさえずりと風の音しか聞こえない。加水も加温もしない、地球の恵みそのものの湯が、旅人の疲れた体を芯から解きほぐしていく。
館内に一歩足を踏み入れれば、木の香りと薪ストーブの温もりが優しく迎えてくれる。贅沢なホテルにあるような最新の設備はここにはない。しかし、使い込まれた家具や、オーナーのこだわりが詰まった調度品の一つひとつが、訪れる者の心を不思議と落ち着かせる。